賃貸は老後が心配、持ち家で60歳までの住宅ローン完済プランを
「地価はまだまだ下がるから家を買うのは愚かなことで、賃貸に住むのが賢い選択」という意見もある。果たしてそうだろうか。地価が底値を付けるタイミングまでお金を無駄遣いせずに貯めておければよいが、お金に余裕があればレジャーや車などで使ってしまうのが人の性。消費生活を謳歌して気付いてみたら大した貯蓄もなかったということにならないという自信がありますか?

住宅ローンを組むにしても、年齢が高くなると完済する年齢も高くなる訳で、40歳でローンを組み、35年ローンで75歳完済というプランでは苦しい老後生活を余儀なくされます。

それなら、生涯賃貸で通せはどうか。もし100歳まで長生きしたら公的年金の収入の平均が23万円では毎月10万円の家賃を払い続けるのは無理で老後生活が破綻するリスク大。
※高齢者夫婦の1ヶ月当りの最低限レベルの生活費は24万円(公的年金の収入は23万円)で、そのうち住居費用は2万円なので、家賃10万円を負担していくことは平均的な高齢者夫婦のケースよりも年間96万円(10万円と2万円の差額である8万円の12ヶ月分)多く貯蓄を取り崩していくことになる。仮に、100歳まで長生きしたとすると、年金受給開始の65歳から100歳までの35年間に家賃のために取り崩す貯蓄の総額は約3,500万円に達する。もし、70歳になって持ち家を購入しようとしても、住宅ローンを組むのは年齢的に困難であり、全額現金で用意できない限り、生涯賃貸のままで行くしかありません。

◆有利な住宅ローンの選び方
新規に物件を購入し、自己資金が購入価格の2割以上準備できる場合は迷わず「住宅金融公庫証券化支援事業(買取型)」の住宅ローンを選ぶべき。最長35年で固定金利2%台という破格の条件で借り入れできる。都市銀行、地方銀行等で取り扱っている。ただし、適用される金利は一律で決まっているものではなく、金融機関ごとに異なるため利用の際は複数の金融機関の金利を比較すること。

新規に物件を購入するが、自己資金が2割までは準備できない場合、或いは、借り換えを行う場合は、上記の「住宅金融公庫証券化支援事業(買取型)」は利用できないので、金融機関が独自に取り扱っている住宅ローンを利用することになるが、この場合の留意点は、短期固定の商品は決して利用しないこと。2年固定で1%を切るものもあるが、目先のメリットだけに目を奪われてはいけない。

よく、『短期固定や変動型で借りるなら、金利上昇に対応できるよう、余裕を持った返済額に抑えましょう』とも言われるが、ギリギリまで借りてしまいがちななか、そんなことなかなか難しいですよね。


◆社内融資のメリット・デメリット
また、社内融資には金利面や、利用しやすさ(金融機関のようなローン審査がない)でメリットがある一方、思わぬデメリットもあります・・・。一般的な特徴として、退職までにガンガン返済(給与天引き)しする、という仕組みなため、ボーナスも多くが天引きされてしまい、自由に使えるお金が少なくなり、こんなはずじゃなかった、という人も多いです。総返済額は間違いなく最小ですが、お金を使いたい時期に使えなかった、ということになるおそれがあるのです。
金融機関の住宅ローンで、長めに返済期間を確保しておいて、退職時に一括して返済するように考えておけば、途中での教育資金などが確保しやすくなるというメリットがあるのです。

ドライブに例えれば、目的地まで高速道路でパーキングにも立ち寄らず、最短時間で行くのが社内融資で、パーキングで休憩したり、一般道で景色や美味しいものを楽しむこともしながら、ある程度自分のペースで運転できるのが、金融機関の住宅ローンです(その代わり、到着まで時間がかかりますけど)。

家族が楽しいのはどちらでしょう?

年齢別の持ち家、非持ち家世帯の比率(%)
持ち家 非持ち家
全体 71.9 27.2
20歳代 12.2 87.2
30 47.8 52.0
40 69.8 29.9
50 78.5 20.4
60 82.1 16.3
70歳以上 84.6 14.0
出典:金融広報中央委員会「家計の金融資産に関する世帯調査(2004年)」